謎多き宗教、マニを巡る物語
桃源郷、探界使、まことの信仰 博覧強記の陳舜臣が、構想から実に50年以上という歳月を経て生み落としたのが、この作品 自らの歴史を記録として遺すことにあまり熱心ではなかった(らしい)西遼(カラ・キタイ=黒い契丹人の意) などをうまく絡めて造られた理想的フィクション
この作中では、陳さんの宗教(というか人生)観がよく現れており、やはり「よそ者の目」を持つ人間らしい、 広範な包括性を有したものとなっている 陳さんの人生観に興味がなくとも、われわれ、日本に住む人間たちがことに疎いイスラムの成り立ち (スンニ派、シーア派のちがいなど)や、中央〜西アジアにおける勢力の歴史的変転など、読んでいて 興味深いところが非常に多い、推薦書である(特に上巻は陳さんの作品群のなかでも白眉の出来か)
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